琉球大学病院と民間企業が共同運営する「機能画像診断センター」(FIMACC)で、がんのPET/CT検査の予約が停止している問題で、同病院は2日、企業側が検査関連機器の保守点検を怠ったとして、事業契約を解除して同病院による直接運営に切り替えると発表した。
琉大病院によると、検査時に患者の体内に投薬する放射性薬剤を合成する機器「サイクロトン」を巡り、企業側が今年4月に保守点検業者との契約を怠ったという。6月の定期点検時期が過ぎても稼働していたことや、病院側に報告がなかった点について「患者安全を確保する点で許容できない」としている。その間に投薬された薬剤には問題ないという。
民間企業側は同病院と2011~37年の業務委託契約を結び、同病院からの予算以外にも独自の資金繰りで運営を軌道に乗せたと主張。西普天間住宅地区跡地に同大医学部が移転予定であることに伴い、琉大側が21年に契約解除を通知したことは「承知」しているものの、事前協議がなく一方的に手続きを進める姿勢に「(同病院の)拙速とも思える判断の理由が分からない」と反論した。
今後、同病院は関連業者と契約を結び、早期に従来通りの検査を提供する予定。それまで患者相談窓口を設置する。問い合わせは098(895)1162。(嘉陽拓也)
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