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自衛官のセクハラ被害、国「その都度、適切に対応」 弁護団「論点すり替え」 那覇空自訴訟


自衛官のセクハラ被害、国「その都度、適切に対応」 弁護団「論点すり替え」 那覇空自訴訟 現役自衛官によるセクハラ被害国賠訴訟の第3回期日に臨む弁護団や支援者=2日、東京地裁前
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 航空自衛隊那覇基地でセクハラ被害を受けたと訴えたにもかかわらず、適切な対応がされずに精神的苦痛を受けたなどとして、現役航空自衛官が国に損害賠償を求めた訴訟の第3回期日が2日、東京地裁であった。自衛官の弁護団によると、国側は事前に提出した準備書面で「原告(自衛官)の被害申告にはその都度、適切に対応してきた」などと主張した。


 弁護団や原告自衛官によると、これまで防衛省・自衛隊はセクハラ行為があったことを認めてこなかった。今回の訴訟で国側が勤務環境の改善を怠った「安全配慮義務違反」と訴えたところ、立場を一変させて被害があった前提で適切に対応してきたと主張し始めた。準備書面には、申告が不十分だったとするような記載もあったという。

 終了後に専修大で開かれた報告集会で、弁護団の田渕大輔弁護士は「(国側は)論点をすり替えている。今後しっかり反論したい」と指摘した。

 原告の自衛官は「(国側の代表として)法廷に来るのは法務省で、当事者は被害者の私一人だけだ。当事者である防衛省・航空自衛隊の人は表に出てこない」と憤り、「当事者が来て直接、説明してほしい。組織のトップが裁判に来て直視してほしい」と求めた。

 (明真南斗)

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