県立第二高等女学校の同窓生らでつくる「白梅同窓会」が高齢化のため、60年余りの活動に幕を下ろすことを決めた。
最後の総会が12日に那覇市内のホテルで開かれ、90代の同窓生ら約30人が集まった。笑顔と涙で久しぶりの再会を喜び、活動終了を惜しんだ。今後は遺族やボランティアらでつくる「白梅継承の会」が活動を引き継ぐという。
同窓会の最後の会長には大城君子さん(97)が就任し、活動終了に向けた手続きを担う。大城さんは「明るく仲良く継いでいってほしい」と継承の会にバトンを託した。
大城会長によると、同窓会の発足は1960年。沖縄戦に動員された県立第二高等女学校(白梅学徒隊)の学徒らを追悼する「白梅之塔」での慰霊祭をはじめ、戦争体験の継承活動に取り組んできた。
前会長の中山きくさん(23年1月に死去、享年94)を中心に1995年に女子学徒隊の記録「平和への道しるべ 白梅学徒看護隊の記録」、2000年には「白梅―沖縄県立第二高等女学校看護隊の記録」を発刊。白梅学徒隊を含む、九つの女子学徒隊の発信や平和活動にも力を入れた。高齢化のため、19年から「白梅継承の会」が慰霊祭の運営を担ってきた。
12日、中山さんと二人三脚で活動してきた同窓会の武村豊副会長(94)と大城会長に花束が渡され、活動をねぎらった。武村さんは「会が閉じることは喜びだけではないすまない複雑な思いだが、継承の会が引き継いでくれるので安心している。二高女に籍を置いたことは誇り。ここまで来られたのは若い方たち、継承の会の励ましがあったから」と涙を拭った。
複雑な表情を浮かべていた同窓生の稲田和子さん(94)は「みんなに会えてうれしいけど、なんとも言えない気持ち。中山きくさんのおかげで白梅を世間に知ってもらえた大きな功績も残したい」と惜しんだ。
「白梅継承の会」の屋宜光徳さん(91)は「遺族の気持ちに寄り添いながら同窓生や協力会、ボランティアの力を借り、鎮魂と平和への道しるべの活動を引き継いでいきたい」と述べた。
毎年1回の総会には多い時には400人が参加することもあったものの、高齢化で少なくなり、コロナ禍で中断していた。
(中村万里子)