久高友弘容疑者逮捕の一報を受け、那覇市議に激震が走った。久高容疑者が市議を辞職したのは10月21日。3週間前まで同僚だった前議長逮捕という前代未聞の事態に市議たちは怒り、久高容疑者に対して真実を話すよう訴えた。金銭授受疑惑で市議会に対する市民の信頼は失墜。市議会は一丸となって信頼回復に向けた対応策を打ち出す考えを示した。
久高容疑者が逮捕された15日、市議会ではくしくも議員が逮捕された場合の議員報酬のあり方などを議論する各派代表者会議が開かれた。会議は元々予定されていたが、進行役の野原嘉孝議長は冒頭、逮捕の一報に触れつつ「11月定例会が始まるまでに議会として市民の信頼回復、再発防止に向けて対応策を出したい」と決意を語った。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2023/11/%E4%B9%85%E9%AB%98%E5%8F%8B%E5%BC%98%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85%E9%80%AE%E6%8D%95%E3%81%AE%E5%8F%97%E3%81%91%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E9%87%8E%E5%8E%9F%E5%98%89%E5%AD%9D%E8%AD%B0%E9%95%B7%EF%BC%9D15%E6%97%A5%E3%80%81%E9%82%A3%E8%A6%87%E5%B8%82%E8%AD%B0%E4%BC%9A.jpg)
市議会では、今回の事態を検証する会議体の立ち上げを視野に議論を進めている。会議終了後、野原議長は「市民に対して申し訳ない。議会としてなぜ事前に止められなかったか、二度と同じことが起きないよう議会として責任をもって対策を打ち立てたい」と語った。
久高容疑者が所属していた与党会派、自由民主の粟國彰会長は「警察の捜査を見守りたい」と述べるにとどめた一方、疑惑発覚後に周囲から「『お前も現金を受け取ったのか』などと疑いのまなざしを向けられ不愉快な思いをしている」と告白、「久高氏は真実を話してほしい」と要望した。自民党・みんなの協働の奥間亮副会長は「本人がやったことは自らが責任をとり、警察には真実を話してほしい」と語った。
金銭授受疑惑が発覚して以降、議会では野党会派は真相解明に向けた百条委員会の設置などを提案してきた。共産党の古堅茂治団長は「怒りしかない。議長という立場を利用して不正行為が行われていたとしたら許しがたいことだ」と批判。議会の信頼回復に向けて「久高氏以外にも疑いのまなざしを向けられている議員はいる。そのすべての議員が説明責任を果たす以外にない」と強調した。ニライの多和田栄子会長は「市民からは強いおしかりを受けている。徹底して真相究明に努めたい」と語った。
公明党の糸数昌洋団長は「議会として市民の信頼回復と再発防止をいかにするか。われわれも今回の事態に至る過程を検証しなければならない」と指摘した。
(吉田健一)