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琉球遺骨21体、県教委から今帰仁教委に移管 旧帝大の学者が持ち出し、台湾大で保管


琉球遺骨21体、県教委から今帰仁教委に移管 旧帝大の学者が持ち出し、台湾大で保管 百按司墓(資料写真)
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 昭和初期、旧帝国大学の人類学者らが研究目的で今帰仁村の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」などから持ち出し、2019年に保管先だった台湾大学(旧台北帝国大学)から県教育委員会に移管された琉球人骨63体について、県教委は10月24日、今帰仁村由来とされる人骨21体を今帰仁村教育委員会に移管した。

 県教委文化財課が11月16日、県教育委員会会議で説明した。同課によると、今回移管した遺骨21体は、台湾大学から県教委に移管された際に作成された「移管台帳」内の「頭蓋骨標示」欄に「運天」と書かれてあった。遺骨は63体分あり、採集場所と思われる情報などが書かれているという。

 県教委は2018年、台湾大、今帰仁村教委と3者で定めた協議書に基づいて、19年に移管を受けて県立埋蔵文化財センターで保管していた。当初、村教委の保管体制が整わなかったことから依頼を受けて、今帰仁村由来とされる人骨も県教委が一時的に保管していた。県教委は今帰仁村以外の採集場所が確認できた人骨も該当する市町村教委と調整するとしている。

 (高橋夏帆)