「避難してください」沖縄県内、深夜のJアラートに混乱 モノレールは一時停止 北朝鮮「衛星」発射


「避難してください」沖縄県内、深夜のJアラートに混乱 モノレールは一時停止 北朝鮮「衛星」発射 北朝鮮の「軍事偵察衛星」発射を受け運行停止した県庁前駅の改札で再開を待つ人たち=21日夜、那覇市のゆいレール県庁前駅(小波津智也撮影)
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 21日午後10時45分ごろに北朝鮮が「軍事偵察衛星」を発射し、沖縄県域への全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令された。沖縄都市モノレール(ゆいレール)が一時全線で運行を見合わせるなど、深夜の県民生活にも影響が出た。

 ゆいレールはJアラートが鳴った直後から全線で運行を見合わせ、利用者に向けて「車内および駅舎内に避難してください」と呼びかけた。

 券売機も一時発券中止になった県庁前駅。赤嶺駅まで帰宅予定だった男性(39)は、「携帯からアラームが鳴っていたのは分かったが、まさかモノレールまで影響が出るとは思わなかった」と驚いた様子。「しばらく待ってだめならタクシーで帰るしかないですね」とため息をついた。

 那覇市泉崎のホテルに勤務し、首里駅に向かおうとしていた女性(76)も「駅に来たら切符が買えないから、どうしたんだろうと思っていた。今、構内放送を聞いて、ミサイル発射を知った。早く帰りたいのに困る。娘を呼ぶにも遅いし」と困った様子で話した。その後、ゆいレールは午後11時20分ごろに運行を再開した。

 石垣市内では午後10時45分ごろ、「ウー」というサイレンがけたたましく鳴り響いた。夜遅く、街中に人気はなく車の通りも少ないが、信号が黄色や赤の点滅を繰り返した。同55分ごろにはスピーカーやラジオで市の防災放送が流れ、建物への避難を呼びかけた。

 石垣市内の医療関係者の女性2人と男性1人の計3人は飲食店で会食中にサイレン音を聞いた。「またか」。今年に入り数回目のサイレン音。店を後にし、その後スーパーのベンチに腰掛けてアイスクリームを食べていた。「どこに避難すればいいのか」「サイレンはうるさくて睡眠妨害だ」。3人はJアラートに不快感を示した。

 宮古島市でも、午後11時15分ごろ、Jアラートの警報が鳴り響く市役所内で、市職員は電話の対応に追われた。

(岩崎みどり、小波津智也、友寄開、照屋大哲、南彰)