北朝鮮が「衛星」発射、太平洋へ 岸田首相「沖縄上空を通過」 県内にJアラート モノレールが一時運行停止の影響


北朝鮮が「衛星」発射、太平洋へ 岸田首相「沖縄上空を通過」 県内にJアラート モノレールが一時運行停止の影響 政府からミサイル通過の連絡を受ける県防災危機管理課の職員=午後11時16分、沖縄県庁
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 日本政府は21日夜、全国瞬時警報システム(Jアラート)で北朝鮮がミサイルを発射し、午後10時55分ごろに太平洋へ通過したもようだと速報した。対象地域は沖縄県。韓国軍は北朝鮮が主張する「軍事偵察衛星」が南方向に打ち上げられたと明らかにした。北朝鮮が8月に続き軍事偵察衛星の3回目の打ち上げに踏み切った可能性があり、日米韓が確認を急いでいる。官邸で岸田文雄首相は記者団に「少なくとも1発は沖縄県上空を太平洋へと通過した」と述べた。

 沖縄県防災危機管理課によると、午後11時19分現在、県内での被害情報は入っていない。

 Jアラートを受けて、沖縄都市モノレール(ゆいレール)は一時運行を見合わせた。

安全確認のための運行停止を知らせる沖縄都市モノレールの改札口=21日午後11時ごろ、沖縄都市モノレール旭橋駅

 北朝鮮は21日、日本側に22日午前0時から12月1日午前0時の間の衛星打ち上げを通報した。日米韓は、弾道ミサイル技術を使った発射を禁じた国連安全保障理事会決議違反だとして、連携して対処する。

 北朝鮮は軍事偵察衛星の運用について、米国に対抗し自国の生存権を守る「不可欠な戦略的選択」だと主張している。日本政府は日本への落下に備え、自衛隊に撃墜を命じる破壊措置命令を継続していた。

 北朝鮮は5月と8月、北西部東倉里の西海衛星発射場から軍事偵察衛星の打ち上げを試み、いずれも失敗した。8月の失敗直後、3段目の非常爆発システムにエラーが生じたとし、10月に再び打ち上げると表明した。

 日米韓は、北朝鮮が関係を深めるロシアの技術支援を得て、運搬ロケットの完成度を高めた可能性があるとみて警戒していた。

防災無線が鳴り響く石垣市内=21日午後10時55分ごろ