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訪問看護なのに「自宅に来ることほとんどない」 中城村の施設が診療報酬を不当請求か 沖縄


訪問看護なのに「自宅に来ることほとんどない」 中城村の施設が診療報酬を不当請求か 沖縄 イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉陽 拓也

 中城村にある訪問看護ステーションが、居宅での利用を要件とする訪問看護を関連施設の事務所で行い、不当に診療報酬を受けていた疑いがあることが30日までに分かった。

 本紙の取材に対して事業所の代表取締役は「自宅で(訪問看護を)受けることが難しい利用者のため」と説明したが、所管する厚労省九州厚生局によると利用要件に例外はない。法令順守が求められるため、不正・不当な請求があった場合は、診療報酬の返還や事業所指定が取り消されることもあるという。

 この訪問看護ステーションは、代表取締役の男性が理事長を務める一般社団法人のグループ企業。同法人は就労継続支援事業所(A型、B型)も運営しており、利用者約120人のうち四十数人が今回問題になった訪問看護ステーションの訪問看護を受けているという。

 代表取締役の男性によると、健康状態の悪化が懸念される利用者に訪問看護の利用を勧めており、7~8人が同法人の事務所で看護師による健康確認などを受けていた。事務所で訪問看護を受けていた利用者によると、看護師が自宅に来ることはほとんどなかったという。

 同法人では、2022年に訪問看護事業を開始した。代表取締役の男性は訪問看護ステーションの開設時、事務所で訪問看護を利用できるか行政に問い合わせたと主張しているが、明確な返答を得ていない。「知人の同業者が事務所で行っていた」との認識で継続的に実施しており、「不正の意図はない。法令違反があれば改めるが、制度も実際のニーズを満たしていない」などと述べた。

 (嘉陽拓也)