【名護】国指定屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さん(61)が10月26日、名護市屋我地島で暗色型のサシバ1羽を目撃した。渡久地さんによると、今月5日時点でも同島に滞在しており、越冬する可能性が高い。渡久地さんは屋我地島で鳥類の観察を約45年続けていて、同島での目撃は2019年以来2回目という。
暗色型のサシバは通常の個体と比べ、胸部から腹部を中心に全体的に暗い体色になっており、個体数も少ない。
サシバは絶滅危惧種の猛禽(もうきん)類で日本では夏鳥として本州から九州にかけて飛来し、山地の森林で繁殖する。秋になると越冬のため東南アジアやニューギニアに渡り、県内では越冬の中継地として毎年10月頃に宮古島などへ飛来する。県内で越冬する個体も存在し、渡久地さんによると、昨年は大宜味村で暗色型1羽の越冬が確認された。
渡久地さんによると、今回の個体は19年に確認された個体よりも体色が濃い。日中は電柱や木の枝に止まっているが、他のサシバに比べ警戒心が強いため探しづらいという。渡久地さんは「普通のサシバとは違った色合いを他の人にも見て楽しんでほしい」と喜んだ。
(武井悠)