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「ずっと飛ばさないで」 全オスプレイ飛行停止 住民の不安払拭ほど遠く 沖縄


「ずっと飛ばさないで」 全オスプレイ飛行停止 住民の不安払拭ほど遠く 沖縄 米海兵隊のMV22 オスプレイ(宜野湾市内でジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 米軍が7日に飛行停止を発表したオスプレイ。危険にさらされる地域の住民の不安払拭はほど遠く、住民からは恒久的な飛行停止を求める声も上がる。

 新石垣空港へ10月、県内で初めて陸自所属のオスプレイが飛来した際、現場で反対の声を上げた上原正光さん(70)は、米軍の発表に「当然だ」と話し、オスプレイの危険性を「自分ごと」として捉える大切さを訴える。「戦争につながるあらゆるものをやめてほしい。即時処分すべきだ」と語気を強めた。

 7月にオスプレイが初飛来した久米島町に住む山城和満さん(73)は、「何度も事故を起こし『欠陥機』とされる機体で、飛行停止は、遅いくらい。命を落とした兵隊の親からしたら、たまったものではなかったろう」と亡くなった兵隊の家族の心中を気遣った。その上で「米軍を追及しない日本政府は、国民より米軍優先か。自分たちが生活する場所の上空を飛ぶことは、今後も納得できない」と憤った。

 東村高江の仲嶺久美子区長は「今までも事故や不時着があり、区の上空を飛ぶことが不安だった。飛行停止になってよかった」と安堵(あんど)した。

 伊江村の60代女性は、オスプレイが自衛隊にも配備されていることに触れ、「事故がいつ起きるか分からない。(配備を)撤廃にできるのか」と不安を口にする。

 2016年にオスプレイが墜落した名護市安部に住む中村吉且さん(71)は「当然のことだ。日常的に飛んでいると慣れてはくるが、事故を見るとやっぱり怖い。ずっと飛ばさないでほしい」と語った。

 (藤村謙吾まとめ)