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オスプレイ全て飛行停止、普天間機も沈黙 世界で一斉に運用止める初の事態に 繰り返す事故、改めて問われる構造的欠陥 


オスプレイ全て飛行停止、普天間機も沈黙 世界で一斉に運用止める初の事態に 繰り返す事故、改めて問われる構造的欠陥  カバーなどが付けられたまま、米軍普天間飛行場に駐機されたMV22オスプレイ=7日午後0時10分、宜野湾市(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 鹿児島県・屋久島沖で米空軍横田基地所属の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが墜落した事故を受け、米軍は7日、世界中で運用している全てのオスプレイの飛行を停止したと発表した。全世界で運用が停止されるのは初となる。事故の初期的な調査で機材の不具合の可能性が示されたと明らかにした。オスプレイを巡っては県内配備当初から構造的欠陥が指摘され、事故やトラブルが相次いでおり、機体の安全性が改めて不安視される。防衛省によると、7日、普天間飛行場と嘉手納基地でオスプレイの離着陸は確認されなかった。

 米海軍航空システム司令部は7日夜、琉球新報の取材に対し、事故原因について「現時点では(オスプレイのクラッチ特有の不具合の)ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)が、この事故の要因である証拠は見つかっていない」と明らかにした。在沖米海兵隊のMV22オスプレイの飛行停止期間については「安全だと確認された時点で、飛行を再開する」と説明するにとどめた。

 事故後、日本国内では米空軍のCV22は飛行を止めていたが、海兵隊のMV22、海軍のCMV22は県内を中心に飛行を続けていた。陸上自衛隊は事故を受け、既にV22の飛行を見合わせている。

 米空軍はCV22の運用停止指示について、発表文で「リスクを軽減するため」と説明。運用停止の間に原因特定に向けた徹底的な調査と、再開に向けた対策を検討する方針を示した。CV22の停止を受け、海兵隊と海軍もそれぞれが運用するオスプレイの飛行を止めた。停止の期間は明示されていない。 (明真南斗、知念征尚)