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「療育のおかげ」空手形やピアノを舞台で堂々披露 奇声など自閉症による行動多かった平良さん 発達療育センター10周年イベント


「療育のおかげ」空手形やピアノを舞台で堂々披露 奇声など自閉症による行動多かった平良さん 発達療育センター10周年イベント 沖縄にコロロメソッドを導入した平良博子さん(右)と、舞台でピアノ演奏などを披露した次男の琉太郎さん
この記事を書いた人 Avatar photo 松堂 秀樹

 コロロメソッド発達療育支援センター10周年記念イベントでは、平良博子代表の次男、琉太郎さん(26)も舞台に立った。幼少期は体幹が弱くすぐに座り込んだり、奇声を上げるなど、自閉症による行動も多かったが、舞台では空手の形やピアノを披露し、センターの在籍生の模範となる姿を見せた。

 琉太郎さんは1998年に生まれた。言葉の発達の遅れがあり、日常生活では真っすぐの姿勢を保てずに体が左右に揺れたり、跳ね回ったりすることが多かった。

 公立学校の英語教師だった平良さんは、琉太郎さんのために療育について学ぼうと、米国の民間療育研究所で脳障害について学んだ。集中持続が困難な発達障がい児の脳を適切な療育で刺激すれば、言語や認知の能力などが改善することを知った。

 脳機能に着目した実践的な療育を実施している機関を探していたところ、コロロメソッドと出合った。大脳新皮質の発達を促すための独自の療育プログラムを、まだ幼かった琉太郎さんに体験させた。

 運動療法の一つである山登りを嫌がって山中で泣き叫ぶなど数多くの困難があったが、琉太郎さんは無意識に動いていた体の揺れを意識して止めたり、親や教師の話を集中して聞けるようになるなど、改善が見られた。学校や部活動でも集団に適応し、社会性が向上した。

 琉太郎さんは沖縄高等特別支援学校(うるま市)を卒業後、具志川職業能力開発校を経て民間企業に就職した。食品製造機の洗浄などを担当している。中学生時代に始めたピアノや空手には週2回、ジョギングのサークルには週1回の頻度で参加し、学習塾にも通っている。

 10周年記念イベントで、キレのある空手の形やピアノのけん盤に柔らかく触れる正確な演奏を披露し、観客もその姿を目で追った。大きな拍手が送られた琉太郎さんは「緊張したがうまくできた。療育のおかげでピアノや空手、仕事などを続けることができている」と話した。

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