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防衛局調査で発見した「手榴弾」が紛失 受託業者、現場で保管中に 森林管理署、入林禁止を発表 沖縄・北部訓練場跡


防衛局調査で発見した「手榴弾」が紛失 受託業者、現場で保管中に 森林管理署、入林禁止を発表 沖縄・北部訓練場跡 沖縄防衛局が米軍北部訓練場跡地で紛失したと発表した手榴弾らしきもの(発表資料より)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄防衛局は23日までに、本島北部の米軍北部訓練場跡地で見つかった手榴弾(しゅりゅうだん)らしきものを紛失したと公表した。米軍のものか、火薬や起爆装置の有無など詳細は不明としたが、暴発の可能性について陸上自衛隊の不発弾処理隊に写真で照会し「構造上、外圧が加わらない限り可能性は低い」との見解を得たとしている。

 廃棄物調査を行っていた受託業者が昨年12月に旧ヘリコプター着陸帯(LZ―2A)で発見した後、処分の準備が整うまで発見現場で一時保管していたが、今月10日になくなっていることが判明したという。一時保管場所では、掘り出した穴の中に動かないよう土のう袋に格納し、周囲にテープを張っていた。

 暴発の可能性は低いとしたが、現場周辺の探索で発見に至らなかったため、12日に環境省や林野庁、県や国頭村や東村、名護署に報告。米軍には17日に情報共有した。沖縄防衛局のウェブサイトでは、現物を見かけた際の情報提供を呼びかけている。

 防衛局は琉球新報の取材に対し「皆さまに心配を掛けて申し訳ない。今後、不発弾等を発見した場合は、速やかに県警に連絡する。適切な保管場所へ搬出するなど管理を徹底し、再発防止に努める」と説明した。

 米軍用地の返還をめぐっては、跡地利用特措法に基づき、返還地を地権者に引き渡す前に土壌汚染調査などの支障除去を講じることとしている。北部訓練場跡地では、土地引き渡し後も相次いで廃棄物が確認され、国が処分作業を続けている。 

 米軍北部訓練場跡地で沖縄防衛局が手榴弾(しゅりゅうだん)らしきものがなくなった件を受けて、国有林を管理する沖縄森林管理署は24日、当面の間、入林を禁止すると発表した。

(慶田城七瀬、知念征尚)