世界自然遺産に登録された本島北部にある、米軍北部訓練場返還地の廃棄物問題についてパネル展を開催している「基地引き取り党」共同代表の中村之菊(みどり)さんのギャラリートークが19日、浦添市城間の平敷兼七ギャラリーで開かれた。
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中村さんは、2016年に返還された米軍北部訓練場の跡地で見つかった銃弾や照明弾の現物や写真を紹介しながら「訓練の廃棄物がひっきりなしに森から出てくる」と実態を語った。
訓練場跡地について政府は「支障除去」を終えたとしているが、返還され7年が経過した今も国が民間調査会社に「調査等業務」を名目に委託し、廃棄物処理を行っている。
中村さんの情報公開請求により開示された報告書では、8カ月間で1億円の費用がかかったことが明らかになり「膨大な敷地なので終わらないのではないか。こんなに費用がかかることを想定していなかったことを追及する必要がある」と強調した。
地元東村でチョウ類研究者の宮城秋乃さんがこの問題に取り組んでいることにも言及し「自分たちの土地を汚されて怒らない人はいない。現状を知り声を上げることで地元の負担を減らすことにつながる」と話した。
パネル展は47都道府県での開催を目指す。中村さんは「関心のある人がいればパネルも共有したい。最後は官邸前でパネルを掲げて訴えたい。可能ならワシントンまで行きたい」と意気込みを語った。
(慶田城七瀬)