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【記者解説】物価高、子どもへの影響大きく ひとり親支援、生活の安定につなげるには


【記者解説】物価高、子どもへの影響大きく ひとり親支援、生活の安定につなげるには イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 高江洲 洋子

 ひとり親世帯に物価高の影響を聞くアンケートから、最低限度の生活がままならない家庭の深刻な実態が浮かび上がった。昨年比で「ゆとりがなくなった」との回答が約8割を占め、自由記述では「育ち盛りの子に栄養のあるご飯を食べさせられていない」「自分の食べる量を減らし工夫している」といった切実な声が多数寄せられた。子どもに挑戦したいことを我慢させているという回答もあり、子どもへの影響も看過できない。

 雇用形態はパート・アルバイト・派遣など非正規が大半で、正社員の割合は24・5%。県内女性の正社員割合40・2%(2022年就業構造基本調査)に比べて低い。

 必要な援助を聞いたところ、最多は現金給付、2番目は低所得のひとり親世帯などを対象にした児童扶養手当の増額だった。政府は同手当の支給対象の年収上限引き上げや、第3子以降の加算を検討しており、早期の決定と実施が望まれる。

 アンケートではアパートへの家賃補助、公営住宅の優先入居の要望が複数あった。住居費の支援は、生活の安定につながりやすい。生活の基盤を整えるために多面的な支援が求められる。

 (高江洲洋子)