がん患者 福祉用具購入支援 県来年度 ウィッグや乳房補正具 若年者の在宅療養も補助


がん患者 福祉用具購入支援 県来年度 ウィッグや乳房補正具 若年者の在宅療養も補助 沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉陽 拓也

 沖縄県が2024年度から、がん治療により外見が変化した患者のウィッグや乳房補正具の購入費を支援する方針であることが7日までに分かった。また、介護保険や小児医療制度のはざまにある18~39歳の末期がん患者には、在宅療養の訪問看護の費用や福祉用具の購入費なども支援する。24年度予算案として県議会2月定例会に提案する。

 治療による脱毛や乳房切除による外見変化に対応する「アピアランスケア支援事業」では、ウィッグや乳房補正具の購入を各1回、上限2万円まで支援する。利用する場合は県内に6カ所あるがん相談支援センターに相談する必要がある。

 「若年がん患者在宅療養生活支援事業」は末期がん患者が対象。

 訪問介護や入浴の利用、福祉用具の購入やレンタル費用の9割を、毎月上限5万4千円まで支援する。県によると、18~39歳の末期がん患者は小児慢性特定疾病医療費助成制度や介護保険を利用できず、経済負担が大きい現状があったという。

 二つの事業はがん患者や家族の負担を軽減し、生活の質の向上を目指している。いずれも、市町村が患者に助成金を支給し、県が助成金の半分を市町村に補助する。

 アピアランスケア支援はすでに糸満市や浦添市が単独で実施している。県によると、昨年実施した市町村調査では、県の補助があれば支援事業を実施する意向を示した自治体が複数あったという。 

(嘉陽拓也)