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男性育休 3カ月未満8割 主要113社調査 女性と大きな差


男性育休 3カ月未満8割 主要113社調査 女性と大きな差
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 共同通信社は10日、主要113社に実施した社内の男女平等などジェンダー問題を巡るアンケート結果をまとめた。過去1年間に男性社員が取得した子ども1人当たりの平均育休取得期間が3カ月未満だった企業が87%に上った。一方、女性は6カ月以上が86%で、1年以上が6割近くとなり、取得期間に男女の間で大きな差がある実態が浮き彫りとなった。

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 大企業には昨年4月から男性育休取得率の開示が義務付けられた。有価証券報告書によると、アンケート対象企業のうち50社が取得率は8割以上と公表し、浸透してきていることがうかがえる。だが期間をみると、依然として女性が育児の中心的役割を担うという意識が根強いと言えそうだ。

 男性の育児休業取得は家事や育児の負担を夫婦で分担し、女性の就業継続や第2子以降の出産意欲を高める狙いから推進されている。アンケートでは、男性の育休取得期間(分割取得した場合は通算)で最も多かったのは「1カ月~3カ月未満」の47%。次いで「2週間~1カ月未満」が25%、「5日~2週間未満」が13%だった。「3カ月~6カ月未満」は4%、「5日未満」は2%だった。

 一方、女性は男性より期間が大幅に長い傾向があり、「12カ月~18カ月未満」が51%。「6カ月~12カ月未満」が27%、「18カ月以上」が8%と続いた。6カ月未満は4%だった。

 女性の育休期間が男性よりも長くなることで生じている課題や問題について複数回答で尋ねたところ、最多は「復職後のキャリアアップの遅れ」で59%、次いで「勤務時間制限」が30%、「昇給の遅れ」が19%だった。大妻女子大の田中俊之准教授(男性学)は「長く休むとキャリアに響く。女性ばかりが長くならないよう夫婦で分割して取得することが望ましい」と指摘した。

 今回の調査は各業界を代表する企業を対象に昨年11~12月に実施した。

(共同通信)