Q 今年の桜の開花は遅いような気がしますが、実際どうなのでしょうか。
A 気象庁は、全国各地の気象台で植物の開花、動物の初鳴きなどを観測しています。1953年から全国で統一した観測方法で開始しました。
沖縄気象台では、桜の開花・満開、梅の開花、ススキの開花の3種目4現象を観測しています。桜の標本木は那覇市の末吉公園にあり、梅は市久米の福州園、ススキは豊見城市保栄茂(びん)で観測しています。
沖縄気象台は5日、末吉公園でヒカンザクラの満開を観測したと発表しました。平年(2月4日)より1日遅く、前年の1月30日より6日遅い開花となりました。
植物に詳しい中城公園の比嘉正一所長によると、今年の北部の桜の開花は遅い傾向にあると話します。ヒカンザクラの開花を左右するのは(1)12月ごろに一定期間、気温が下がるかどうか(2)個体の差(3)台風の影響―があるそうです。
比嘉さんは「花芽は8~9月にできる。花芽ができた後に台風が来れば影響は少ないが、今回は花芽ができる前に台風が来た可能性がある」と指摘します。
本土のソメイヨシノは桜前線が九州から北上して一斉に咲いて散ります。接ぎ木などで増え遺伝的には同じ種のクローンのためです。
一方でヒカンザクラはそれぞれ個体が違うので、花色も違えば、樹木によって遅咲きや早咲きがあります。
気温が低いことも開花に影響を与えます。十分な低温にさらされた所から咲いていくため、沖縄本島の場合、気温の低い北部から開花し、桜前線は北から南下します。