有料

市長のセクハラ疑惑で「百条委」設置を求める 市民団体が市議会に陳情 沖縄・南城


市長のセクハラ疑惑で「百条委」設置を求める 市民団体が市議会に陳情 沖縄・南城 陳情書を提出する「ハートのまち南城 人権ファーストの会」のメンバーら=13日、南城市議会事務局
この記事を書いた人 Avatar photo 上江洲 仁美

 南城市内外の有志でつくる「ハートのまち南城 人権ファーストの会」は13日、南城市議会の中村直哉議長宛てに、古謝景春市長のセクハラ疑惑や市の対応、市役所内のハラスメントの実態を調査する特別委員会(百条委員会)の設置を求める陳情書を提出した。また、議会が市に対し第三者委員会の設置を求めて行動するよう要求する陳情書も提出した。

 人権ファーストの会は市長のセクハラ疑惑をきっかけに10日に発足した。3人いる共同代表は全員南城市内在住の70代女性。メンバーは市内外の有志約30人で構成する。

 陳情書では、昨年12月の議会で百条委の設置が賛成少数で否決されたことに関して「(議員の)反対理由で述べられた意見について到底納得できるものではなく、議会の責務を放棄した」と批判した。

 共同代表によると、10日の会合では議会と市の対応について怒りの声が多く上がったという。共同代表は「百条委の設置を『議員は専門性がない』という理由で反対した議員もいたが、何のために議員をしているのか。専門家を交えて勉強しながらやればいい」と話した。「百条委の設置は一度否決されたが、市民側から再提案した。議会の役割を果たしてほしい」と力を込めた。

 同会は今後、セクハラ被害を受けたとして市長と市を提訴した元運転手の女性を支援するクラウドファンディングを実施する予定。すでに市内外から女性を支援したいという声が届いており、寄付も集まっているという。

 共同代表は「未来に向けてハラスメント問題をないがしろにせずに、人権を考えていく会にしたい」と語った。共同代表の氏名は誹謗(ひぼう)中傷を避けるため、匿名としている。 

(上江洲仁美)