Q 沖縄は3回お正月があるんですか?
A 沖縄は新暦の1月1日と旧暦の正月、そして「あの世」の正月(旧暦の1月16日)の3回、正月があります。
新暦の正月は、日本本土と同じで、元日には各家庭で沖縄の正月料理のラフテー(三枚肉の煮付け)や中身汁、いなむどぅちなどを食べます。年賀状やお年玉の風習も本土と同じで、初詣にも行きます。沖縄のほとんどの家が新暦の正月を祝っています。
二つ目の正月は旧暦1月1日で、今年は2月10日でした。地域によって旧正月を祝う所と、そうでない所があります。海人の町・糸満市は旧正月を盛大に祝います。糸満漁港では停泊している漁船に大漁旗が掲げられ、1年の豊漁を願います。
粟国島では旧暦の大みそかに各家庭へ塩を売り、踊りをささげる「マースヤー」という行事をします。「神の島」として知られる南城市の久高島でも1年の健康祈願を行う「シャクトゥイ」が行われます。
三つ目の正月は旧暦の1月16日。今年は新暦で2月25日です。沖縄では「ジュウルクニチー(十六日祭)」と呼ばれています。あの世(うちなーぐちでは「グソー」)の正月です。
ジュウルクニチーが盛んなのは宮古島地方や八重山地方です。お墓の前に親戚が集まり、豚肉料理やかまぼこ、豆腐などを詰めた重箱を供え、先祖を供養します。
沖縄本島に住む宮古、八重山出身者は那覇市の三重城でそれぞれの出身離島に向かって供え物を並べ、先祖へ祈りをささげます。
亡くなってから1年以内の人がいる家庭は、新暦の正月や旧正月は質素に行い、このジュウルクニチーを「ミージュウルクニチー(新十六日祭)」、あるいは「ミーサ(新仏)」と呼び、お墓参りをして霊をなぐさめます。