先祖迎え、あの世の正月 沖縄各地で十六日祭 墓前に重箱供え


先祖迎え、あの世の正月 沖縄各地で十六日祭 墓前に重箱供え 墓前で手を合わせて、祖先への感謝を伝える喜久川恵三さん(左端)と妻卓子さん(左から2人目)ら=宮古島市平良の袖山墓地公園
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【宮古島】グソー(後生=あの世)の正月に当たる「十六日(ジュウルクニツ)祭」が、旧暦1月16日の2月25日、各地で催された。墓に集まった家族連れは用意した重箱などを墓前に供えて祖先を迎えた。手を合わせて健康に感謝し、向こう一年の家内安全を願った。

 宮古島市平良の袖山墓地公園では、多くの家族連れが集まり、当日までに掃除された墓前に腰を下ろし、重箱に詰められた料理に舌鼓を打った。

 市内在住の喜久川恵三さん(75)と妻卓子(たかこ)さん(73)は手を合わせる前に、島外にいる息子に重箱の写真を通信アプリ「LINE(ライン)」で送った。恵三さんは「孫も大きくなり、なかなか宮古島に帰れなくても、同じ気持ちでこの日を迎えたかった」と話す。線香を香炉に立て、両手を合わせて祖先への感謝を伝えた。

 恵三さんは「戦争を体験し、大変な苦労を乗り越えた祖先のおかげで私たちの今がある。だから、ウチカビ(紙銭)も多めに燃やさないとね」と笑い、準備に取りかかった。 

(友寄開)