「視力と走り、関係ない」 走者と伴走、2人でゴール 喜びも達成感も倍に あやはしロードレース 沖縄


「視力と走り、関係ない」 走者と伴走、2人でゴール 喜びも達成感も倍に あやはしロードレース 沖縄 伴走の山城邦彦さん(右)の案内を受けながらハーフマラソンを完走した謝花良幸さん=3日午後、うるま市の与那城総合運動公園前
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 ハーフマラソンで伴走の山城邦彦さん(50)=西原町、会社員=と出場し、2時間15分で完走したのは宜野湾市の会社員、謝花良幸さん(42)。約15年前にレーベル病という病気で視力の大半を失った。だがその前に始めたマラソンをやめることなく走り続け、これまでに100キロマラソンを完走したことも。2010年から出場を続ける「あやはし」も無事再び完走した。

 普段は名護市のシステム開発企業で社員の健康や労務管理に携わる。「健康の相談を受けているので、自分が健康であることは大事」とランニングを実践している。「目が良い、悪いは、走ることには関係ない。目が良いからといって頑張るわけでもない」ときっぱり。

 最近は1歳3カ月の息子の子育てに追われ、かつてほど練習に時間が割けなくなったが、代わりに練習メニューを練り直して「質」を保つ工夫をしているという。

 「記録を分析するのが楽しい。運動すればおいしいものも好きに食べていい。楽しく続けたい」と話した。近い将来、健康コンサル企業の立ち上げも目標にしている。

 一緒に走った山城さん(沖縄伴走ランナーネットワーク)は伴走歴23年。この日は謝花さんが最高の状態で記録に挑戦できるよう、エイドステーションで塩分タブレットや水が配られていることを説明したり、坂道の残りの距離を説明したりし、的確な情報を提供した。「2人で走るとパワーをもらう感じで、ゴールした時の達成感や喜びも倍になる」と伴走の魅力を説明。「この楽しさを知ると、もう1人で走ってもつまらなくなる」と笑った。

(島袋良太)