2019年、仲地彩子さん(47)=福岡県、那覇市出身=は「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟弁護団の一員として活動を始めた。同性婚を認めない民法規定の違憲性を訴えた裁判は昨年、福岡地裁で「違憲状態」と判断された。「社会の変化が何よりも強い。それを受けて、法律が変わってくれれば」と改正を見据え、さらに前を向く。
社会学を学んでいた学生時代、価値観は多様であるはずなのに、多数者の考え方で世の中が作られているように感じていた。弁護士となり、性的マイノリティーの権利擁護に取り組んでいる。同性婚の法制化で不利益は生じないと考えており「誰もが法的に平等に認められる世の中であってほしい」と願う。
全国で展開する訴訟は五つの地裁のうち、四つで「違憲」とされたが、いまだ国の動きはない。「判決の根拠は世論調査だった。そうであれば一人一人の関心、声の大きさが集まれば国も動かせる」と力強く語った。
(新垣若菜)