沖縄署襲撃、暴力団組員に実刑判決 「生卵なら指紋つかない」「人を集めたか」 那覇地裁、指示と共謀を認め有罪に 沖縄


沖縄署襲撃、暴力団組員に実刑判決 「生卵なら指紋つかない」「人を集めたか」 那覇地裁、指示と共謀を認め有罪に 沖縄 那覇地裁(資料写真)
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 2022年1月の沖縄署襲撃騒動で共謀して約326万円相当の物品を損壊させたとして、暴力行為法違反(集団的器物損壊)などの罪に問われた指定暴力団旭琉会二代目沖島一家構成員で住居不詳無職の被告の男(23)に、那覇地裁(小野裕信裁判長)は11日、懲役2年4月(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。

 被告側は襲撃の実行行為や共謀がないとして無罪を主張していた。判決は、被告が集団による器物損壊を想定して共犯者らに人集めを指示したとし、共謀を認めて有罪と判断した。

 判決理由で小野裁判長は共犯者の供述などを基に、被告が共犯者に「署にわちゃく(いたずら)しにいこうぜ」「生卵だったら指紋が付かない」と言ったり、「人を集めたか」と確認したりしたと判示。被告も署に生卵を1~2回投げたとした。

 被告の指示を契機に各交流サイト(SNS)の投稿などで順次共謀が遂げられたと認定。当初想定していた集団的器物損壊に至ったとして「事前共謀に基づく共同正犯の罪責を負うことは明らかである」と述べた。

 一方、予定の範疇(はんちゅう)を超える損壊になったことを、被告らが事前に想定していたと認める証拠はないと指摘した。このほか道交法と覚醒剤取締法、大麻取締法の違反は有罪とした。

 襲撃は、直前に発生したバイクの少年と警察官の警棒が接触した事件を契機に、警察の対応に不満を持った若者らが署に生卵や石、空き瓶などを投げ付けるなどした。若者らが暴力行為法違反容疑(集団的器物損壊)で書類送検されるなどし、計15人が摘発された。