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夜間で一瞬の出来事…「制止した」「強打された」 高校生失明事件 警察官の被告と被害者、主張は食い違ったまま 那覇地裁初公判


夜間で一瞬の出来事…「制止した」「強打された」 高校生失明事件 警察官の被告と被害者、主張は食い違ったまま 那覇地裁初公判
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 バイク走行中の当時高校生だった男性(18)に重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた警察官の被告(31)の初公判が4日、那覇地裁で開かれた。

 当時高校生の男性が警察官の被告に「警棒で殴られた」と述べ、注目を集めた事件だったが、双方の主張は食い違ったままだった。

 被告は当時「おい、止まれ」と声を掛けて数歩駆け寄ったとした。「バイクが止まると思っていた。自分の浅はかな思い込みだ」と非を認めた。夜間で一瞬の出来事だったことから、弁護人と相談し「証拠開示をして(資料を)確認し、私が原因で事故が起こったことが分かった」と語った。

 対する男性は「停止を求められた認識は全くない。突然目の前に現れ、いきなり棒のようなもので右目付近を強打された」と反論。被告の供述は「とても曖昧で、同僚の警察官が(被告から)聞いた内容から変わっている」と批判した。

 検察側は論告で、被告が警棒を思い切り振り下ろしたとまでは認められないとした。けがはバイクの運動エネルギーが、警棒と衝突した際の相乗効果で重くなったと指摘。バイクの風防とヘルメットの間にある目付近に偶発的に衝突したなどとし、「不慮の結果である側面は否定できない」と述べた。