警察官の被告に罰金100万円を求刑 高校生失明事件の初公判が即日結審 沖縄・那覇地裁 


警察官の被告に罰金100万円を求刑 高校生失明事件の初公判が即日結審 沖縄・那覇地裁  那覇地裁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

沖縄県沖縄市宮里の路上で2022年1月、バイク走行中の当時高校生だった男性(18)と沖縄署に勤務していた警察官が接触し、男性が右目を失明するけがを負った事件で、警棒を差し向けるなどし職務上の注意義務を怠って重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた警察官の男(31)の初公判が4日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で開かれ即日結審した。判決は25日。

 男性は被害者参加制度を利用し、代読で「生活や人生を大きく変えた。厳重に処罰してほしい」と意見陳述した。検察側は罰金100万円を求刑し、被告の弁護側は罰金刑の判決を求めた。また被害者の代理人弁護士は懲役刑または禁固刑の実刑を求めた。

 被告側は起訴内容を大筋で認めたが、当時のバイクの速度については起訴状にある時速約25㌔ではなく、「30キロ以上だと感じた」と述べた。被告人質問では「今回このような大きなけがをさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪。遮蔽(しゃへい)されたついたての向こうにいる被害者の男性や、傍聴席の親族に頭を下げた。

 警察の対応に不満を持った、若者らによる沖縄署襲撃のきっかけとなった同事件。事件後の22年1月27日深夜~28日未明、若者ら数百人が沖縄署周辺に集まり、一部が暴徒化して庁舎が破壊されるなどした。暴力団員の20代男が暴力行為法違反(集団的器物損壊)罪で逮捕・起訴され、少年ら計15人が摘発されるなどした。