有料

反戦の思い つなぐ 映画「戦雲」公開記念 島袋、山里さん語る


反戦の思い つなぐ 映画「戦雲」公開記念 島袋、山里さん語る 映画「戦雲」の公開を記念して行われたトークイベントで登壇する(左から)監督の三上智恵さん、島袋文子さん、山里節子さん=23日、那覇市久茂地のゆかるひホール
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 沖縄県名護市辺野古で新基地建設への抗議を続ける島袋文子さんと、石垣島で陸上自衛隊配備に反対する「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」の山里節子さんを囲むトークイベントが23日、那覇市久茂地のBookcafe&Hallゆかるひであった。

 山里さんが出演する映画「戦雲」の公開を記念したイベントで、三上智恵監督も参加した。

 参加者から反戦活動に取り組むエネルギーを問われた島袋さんは「15歳の時に沖縄戦で苦しい思いをした。子どもたちにそんな思いをさせてはいけない。生きている間は戦争反対。基地が一つでもなくならない限りは私は死んではならないと思っている」と語った。

 「今は戦争体験者の話を直接聞けるが、私の子どもが生まれたらどう伝えればいいか」。20代の参加者からそう尋ねられた島袋さんが「今、あんたが聞いたでしょ? それを伝えるのがあんたたちの役目。私じゃないよ」と応じると、会場は笑いに包まれた。

 山里さんは「軍事であれ、経済であれ、政治であれ、すべては文化が優先するんだと言い残した先輩がいた」と話し、歌や踊りなどの文化を通して伝えていく大切さを語った。終盤では「こいなゆんた」などを参加者と一緒に歌い、「ハーモニーは大事。存分に沖縄を謳歌(おうか)していきましょう」と呼びかけた。

 (南彰)