「僕の妹もまだ通っています。これからもよろしくお願いします」―。このほど名護市立羽地小学校を卒業した大隅丈(おおすみじょう)さん(12)が、いつも登校時に通学路の横断歩道で交通誘導をしてくれたJAおきなわSS羽地セルフの従業員に感謝の手紙を渡した。従業員らは、大隅さんの行動力と妹思いの優しさにも感動している。
同ガソリンスタンドの前にある横断歩道は信号機がない上、出勤時間は交通量も多い。羽地小学校の児童の通学路でもあることから、従業員は15年以上、交通安全活動を続けている。
大隅さんは、2学年下の妹と一緒にこの横断歩道を毎日通った。よく従業員とあいさつも交わしたという。卒業式を目前にし、両親と6年間続けてきた空手の指導者から教わった「感謝の大切さ」を実践しようと、手紙を書いた。書いた手紙は親にも見てもらい、手直しした。
卒業式前の今月6日、登校する途中でガソリンスタンドの従業員に手紙を渡した。少し緊張したという。手紙には「6年間、信号がない横断歩道を安全に渡れるようにしてくれてありがとうございます。おかげで、僕は安心して登校できました」と書き、感謝を伝えた。4月から一人で通うことになる妹のことを心配し、妹の見守りもお願いする言葉も添えた。
手紙を受け取ったガソリンスタンドの仲程貴之統括マネージャーは「大隅さんの感謝を伝える行動力と妹を思う優しさに強く感動した」とし、今後も活動を続けていきたいと語った。 (玉寄光太)