石垣市消防本部は11日、火災を早期発見し迅速な通報をしたとして、石垣市立八島小学校3年の平安名悠仁(へいあんなゆうじん)さん(8)に感謝状を贈呈した。東崎原学消防長は、平安名さんの対応が「延焼拡大を防いだ。機転を利かせた行動は最適な方法だった」とたたえた。平安名さんは上半身が隠れるほどの大きな表彰状を持ちながら、報道陣を前に「初めての受賞でテレビに出られてうれしい。新聞には別の記事で載ったことがある」と喜んだ。
石垣市消防本部と平安名さんによると、6月6日午後3時半ごろ、友人と帰宅中だった平安名さんは、市真栄里の住宅敷地内から黒煙が上がっているのに気づいた。近くの曽祖母宅に行き「火事だよ」と伝えた。2人で現場を見に行き曽祖母の携帯電話で119番通報した。曽祖母が火災内容を消防に伝え、早期の鎮火につながった。火災は午後3時52分に鎮火し、けが人はいなかった。
平安名さんは火災の際は119番通報することを、学校であった交通安全などの教室で警察官から教わったという。将来の夢は「サッカー選手になること」で、アルゼンチン代表のメッシ選手が憧れだ。
表彰式に父の司さん(41)と兄の理仁(りひと)さん(13)も参加した。司さんは「普段はわがままだが、人の気持ちが分かる子。自分の息子で良かった。誇らしい」と目を細めた。
(照屋大哲)