稲垣 暁さん
琉球新報朝刊 津波警報が発表されたら、どうするか。慣れていないとの印象を受けた。避難行動につながる情報が住民に届いたか。
那覇市などでは、車での避難がひどい渋滞を引き起こした。実際に大津波が発生していたら深刻な被害が出た。避難に車が必要な高齢者もいる。そうした人の避難路は確保できたか。
ラジオでは、キーをつけたまま車を路肩に置いて逃げるように呼びかけていたが、実際にそうした人はどれぐらいいただろう。誰もしていない中、率先して実行するのは難しい。観光客が運転するレンタカーだとなおさらだろう。何が正しい避難方法か検証し、周知する必要がある。
観光客に情報をどう伝えるかも課題だ。広報車を有効活用したい。警報発表の直後、那覇市のホームページはアクセスが集中したせいか見られなかった。県の公式サイト「沖縄防災情報ポータル」は水害情報がトップで、必要な情報になかなかたどり着けない。
特に外国人観光客の戸惑う姿が多く見られた。避難行動を促し、背中を押す情報を、多言語で発信しなければならない。
（社会福祉士・防災士）
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