92歳の医師不採用、南城市の医療法人に297万円の賠償命令 判決 那覇地裁 沖縄


92歳の医師不採用、南城市の医療法人に297万円の賠償命令 判決 那覇地裁 沖縄 那覇地裁(資料)
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 92歳の医師と医師派遣会社(東京)が、医師を不採用とした南城市の医療法人に、医師の地位保全と未払い賃金、医師紹介料の支払いを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(藤井秀樹裁判官)は9日、請求を一部認め、医療法人に医師紹介料として297万円と遅延損害金の支払いを命じた。

 藤井裁判官は判決理由で、原告の医師が介護老人保健施設の施設長として正式採用される前の5日間の就労中、パソコン操作ができないことなどから、「(業務を)円滑に行うことができるかについては疑問が残る」と指摘。医療法人から5日間の見舞金の支払いがあった点も踏まえ、地位保全と賃金支払いを求める医師の訴えを「理由がない」として退けた。

 一方、原告の医師派遣会社が求めた医療法人への紹介料の残額の支払いについては、「求めることができる」と判示した。

 医療法人の代理人弁護士は取材に対し控訴する考えを示した。原告の医師派遣会社は「担当者が不在」とした。