沖縄国際大考古学研究室による発掘調査で、普天満宮洞穴遺跡が旧石器時代の人類の痕跡が確認できた県内最古級の遺跡であることが分かった。研究室は今年8月にもさらに年代が古い下層を調査する予定で、発掘結果によっては琉球列島における人類活動の起源はさらにさかのぼる可能性もある。
石灰岩に覆われた沖縄は骨などの保存に適した地質環境で、今回の普天満宮洞穴遺跡に限らず、これまで旧石器時代の人骨や炉跡などの化石が多く見つかっている。
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人骨では、1962年、那覇市の山下町洞穴遺跡で約3万6千年前のものと推定される国内最古の人骨・山下洞人が見つかったほか、70年には八重瀬町の港川フィッシャー遺跡で約2万2千年前の港川人の全身骨格が発見された。2010年には、石垣市の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴遺跡で約2万7千年前の人骨が発見された。
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人骨以外では、21年に南城市の観光施設「ガンガラーの谷」内のサキタリ洞遺跡で、約2万3千年前の赤く着色された装飾品(貝製ビーズ)が確認された。最近では、八重瀬町具志頭の須武座原(すんざばる)遺跡で、約6千年前の土坑が3点見つかり、火を使用した痕跡も見られた。
普天満宮洞穴遺跡は今回の発掘調査により、旧石器時代を代表する遺跡の一つとなった。発掘調査を主導した新里貴之准教授は「非常にポテンシャルがある遺跡であり、実態を今後明らかにしたい」と語った。発掘作業に参加した総合文化学部3年の中道美海さんは「初めての発掘調査で貴重な体験をした。人類が生活していた痕跡にワクワクした。今後は考古学に関する知識を深め、発掘調査に参加したい」と語った。
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(吉田健一)