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浦添の西海岸「埋め立て最小限に」 デニー知事が意見提出 カーミージーへの影響など念頭 アセス方法書 沖縄


浦添の西海岸「埋め立て最小限に」 デニー知事が意見提出 カーミージーへの影響など念頭 アセス方法書 沖縄 那覇軍港の代替施設の建設が予定される海域=2022年8月、浦添市西洲(小型無人機で撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 県は16日、浦添市西海岸の埋め立て(民港部分)に関する環境影響評価(アセスメント)方法書についての県知事意見を事業者の浦添市土地開発公社と那覇港管理組合に提出した。

 住民が親しむ自然海岸「カーミージー」が近くに残る区域の埋め立ては「いったん実施されると現況の自然への回復が困難な不可逆性の高い行為」であり「事業の必要性を十分に検討し、埋め立て面積を最小限に抑える必要がある」として環境への負荷の低減や地域の生活や自然環境の保全の万全な措置を求めた。

 知事意見は、環境保全の見地から6項目120件。埋め立て区域やその周辺にはサンゴ類や干潟が分布する良好な海域生態系があり、潮干狩りや豊かな自然環境を活用した環境学習の場として、地域の小学校に利用されていることに言及。その上で、土地利用計画の用途ごとに埋め立てる面積の算定根拠を準備書に記載することを求めた。

 埋め立てに用いる石材や公共残土、購入砂などについても種類ごとに量や時期などの調達計画を記載するように求めた。

 2012年に方法書が提出された後、埋め立て位置や形状が大きく変更され今回の再提出となったが、形状変更の検討過程で、環境保全の観点からの配慮事項が示されていないとして、準備書に記載するよう示した。

 浦添市西海岸の埋め立ては、県アセス条例対象規模の約32・2ヘクタールを埋め立てるが、アセスの対象に米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設先として新設される軍港部分は含まれていない。方法書は、環境アセスの調査項目や予測、評価についての手法を事業者が記載したもの。事業者は方法書に対する環境保全意見や知事意見を受けて、方法書を基に環境への影響を調査し、予測や評価した結果を準備書にまとめる。

(慶田城七瀬)