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被害9割は「LINE」で連絡 ロマンス・投資のSNS詐欺、沖縄でも年齢問わず深刻化 


被害9割は「LINE」で連絡 ロマンス・投資のSNS詐欺、沖縄でも年齢問わず深刻化 
この記事を書いた人 Avatar photo 大嶺 雅俊

 交流サイト(SNS)を利用し、じかに会うこともないまま被害者から金銭をだまし取るSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺。全国と同様に県内でも被害は深刻化し、老若男女が被害に遭っている構図だ。

 県警のまとめによると、投資詐欺の被害者は20~60代の男性1人、女性7人。男性の被害がやや多い全国の構図とはずれが見られる。

 ロマンス詐欺の被害者は20~70代の男性25人、女性10人。全国的には女性の被害が多く、これに関しても多少傾向が異なる形だ。男性では50~60代の17人が、女性では40~50代の8人が被害に遭っており、中高年層の被害が目立った。

 県警捜査2課によると、容疑者と被害者の関わりは、投資に関するSNS広告に被害者がアクセスしたり、容疑者が被害者のSNSにメッセージを送ったりしたりして始まっているという。

 そこで使われる接触ツールは比較的多岐にわたる一方で、被害時の連絡ツールとしては被害件数43件の約9割に当たる38件で「LINE(ライン)」が使用された。警察庁のまとめによると、全国的にも同様の傾向にあり、途中で連絡ツールを移行させる手法を取っていることがうかがえる。

 警察庁のまとめでは、23年の投資詐欺では投資家を名乗って被害者に接触した事例が目立った。県警によると、23年の県内の投資詐欺において「投資家」を名乗ったと確認された事例は1件にとどまる。

 ただ、最初に少額の投資を勧めて利益として一度は被害者に金銭を分配したり、偽アプリで利益が出ているように装ったりした上で、多額の投資に誘導し、そのまま連絡が取れなくなるといった被害までの流れは全国と一致しているという。

 また、恋愛感情や親近感を利用したロマンス詐欺でも、金銭要求の名目は投資が約8割(29件)を占めており、これも全国と同じ傾向にある。現金をだまし取る手段としては、投資・ロマンスの両類型合計で現金振り込みが37件、暗号資産が5件、電子マネーが1件だったという。

 (大嶺雅俊)