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やんばる路は安全運転で 交通事故のクイナ無事に放鳥 きょう10日から愛鳥週間


やんばる路は安全運転で 交通事故のクイナ無事に放鳥 きょう10日から愛鳥週間 ケガから回復して元気な姿で森に帰ったヤンバルクイナ=9日、国頭村謝敷
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

 環境省やんばる自然保護官事務所は9日、国頭村謝敷で保護したヤンバクルクイナ1羽を放鳥した。

 同個体は4月に交通事故に遭い重傷だったが、関係機関の懸命な治療で回復した。ヤンバルクイナは4~6月が子育て期で、ロードキル(輪禍死)に遭う事例が集中する傾向にある。今年の事故件数は例年を上回っており、関係団体は安全運転を呼びかけている。 

放鳥したのは成鳥の雄。4月27日に同村謝敷の県道2号で車にひかれて全身を強打し十分に力の入らない状態だった。同事務所が保護し、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(うるま市)で集中的に治療し、自力で餌を食べられるほどに回復した。治療に携わった長嶺隆理事長は「元気に森へ帰すことができてほっとしている」と話した。

 同事務所によると今年、16羽(8日現在)のヤンバルクイナが交通事故に遭い、うち15羽が死んだ。データが残る2011年から、過去2番目に多い件数だ。同事務所の石川伊智子さんは「今年は交通事故のペースが速い。やんばるを運転する際は速度に気をつけてほしい」と述べた。

 同事務所は、事故に遭った希少動物を見つけたら速やかに連絡するよう呼びかけている。連絡先は同事務所、電話0980(50)1025、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄、電話090(6857)8917。 

(玉寄光太)