【速報】セクハラ行為は「否定」「記憶がない」と主張 市長と市側は争う姿勢 南城市長セクハラ疑惑訴訟で初弁論


【速報】セクハラ行為は「否定」「記憶がない」と主張 市長と市側は争う姿勢 南城市長セクハラ疑惑訴訟で初弁論 那覇地裁(資料写真)
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 南城市と業務委託契約を結んでいた古謝景春南城市長の元運転手の女性が、市長からセクハラを受けたとして市長と市を相手取り、慰謝料など404万5千円を求める訴訟の第1回口頭弁論が16日、那覇地裁(片瀬亮裁判長)で開かれた。

 被告の市長側は市長本人、代理人弁護士ともに出席せず、市側は代理人弁護士のみが出席した。原告の女性側は代理人の加藤裕弁護士が出席し、意見陳述した。

 市長側の答弁書では、原告側が主張する13点のセクハラ行為や発言について、「否定ないし記憶がない」などとして争う姿勢を示した。

 市長側は、「セクハラ行為はない」とした上で、原告の女性との関係について「被告の私的な相談にのることもあった」と主張。「南城市は保守革新の政治的対立が激しい」として市長任期が2026年2月までとなっている点に触れ、「速やかな訴訟進行を求める」とも求めた。

 原告側の加藤弁護士は意見陳述で、原告側が訴えるセクハラ行為、発言に対し、市長側が「否定ないし記憶がない」としたことについて「否定と記憶がないでは意味が違う」と指摘。今後の弁論で主張を明らかにするよう求めた。市長側が早期の訴訟進行を求めていることについては、訴訟の提起前から対応を求めながら市長側からの反応がなかった点を強調した。

 市長がSNSのフェイスブックで原告についての書き込みを繰り返していることに「人格非難をするような投稿をしている」とし、追加訴訟を検討しているとした。

 市側は、答弁書で原告からセクハラ被害の相談があった点を認めたが、「市長と接する機会のない別の業務」に転じることを提案したなどと主張。「対応に違法な点はなかった」として争う姿勢を示した。

 訴状によると、市長は22年8月、原告の女性が業務を開始した直後から、宿泊や入浴に誘うなどの性的発言を繰り返した。「太っただろう」と女性の容姿に触れるような言動もあった。

 同12月9日には、後部座席から「握るだけだよ、握るだけ」と発言しながら、女性の手を強引に引っ張ったり、自宅付近に到着した際に女性の胸を強くつかんだ。女性は同12月12日に市に相談したが、同28日に業務委託を解除されたとしている。