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「続けることが一番大事」参加者ら思い思いに行進 沖縄のあるべき姿訴える 5・15平和行進


「続けることが一番大事」参加者ら思い思いに行進 沖縄のあるべき姿訴える 5・15平和行進 米軍普天間基地の第3ゲート付近を行進する北回りコースの参加者=18日、宜野湾市野嵩(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

若者、非戦の声上げ 北回り

 5・15平和行進の北回りには全国から1150人が参加した。宜野湾市役所から北に向かって普天間交差点を経由し、国道58号を南下する約7・2キロを行進した。参加者は「戦争反対」などとシュプレヒコールを上げた。

 野嵩で米軍普天間飛行場のフェンスを撮影していた北海道からの参加者は「北海道では見られない光景。沖縄ではオスプレイが日常で飛んでいてとても危険だ」と話した。

 沿道では行進の様子を見る近隣住民などの姿もあった。昨年まで行進に参加していた70代の男性は、足の調子が悪く今年は参加できなかった。「人数が少なくなったとしても続けることが一番大事」と力を込めた。

 若者の声が目立っていたのは全労金労組と労済労連の参加者。全国から集まった約150人のうち、7割が20代だった。

 県労働金庫労働組合の松川裕一執行委員長(33)=浦添市=は「戦後79年がたち、戦争体験者が少なくなってきている。(行進は)平和を訴え、基地反対の民意を訴えるのに必要なことだ」と話した。

 (中村優希)


基地の重圧実感 南回り

 南回りのコースは曇り空の下、県内外の参加者ら約1040人が参加した。宜野湾市立宜野湾小学校や沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落現場のモニュメント前を通り、宜野湾市立グラウンドまでの7・5キロを行進した。「沖縄を戦場にするな」「静かな生活を返せ」などとシュプレヒコールを上げ、米軍基地のない、沖縄のあるべき姿を訴えた。

シュプレヒコールを上げながら行進する「5・15平和行進」の参加者=18日、宜野湾市の大謝名交差点(ジャン松元撮影)
シュプレヒコールを上げながら行進する「5・15平和行進」の参加者=18日、宜野湾市の大謝名交差点(ジャン松元撮影)

 沿道には平和行進を見守る人や手を振って激励する姿もあった。宜野湾小学校前で静かに行進を見ていた自営業の男性(70)は、宜野湾市愛知に50年間住んでいる。「暑い中、頑張っているね」と語り、「沖縄が復帰して50年がたったが、普天間飛行場はそのままだ」と嘆いた。

 「結構、歩きますね」とつぶやいて、普天間飛行場の大きさを実感したのは、初めて参加した団体職員の男性。抑止力の観点で米軍基地の必要性について理解するが「普天間飛行場は町の真ん中の多くを占めている。やっぱり基地は少ないほうがいい」と悩んだ。

 (狩俣悠喜)