環境省沖縄奄美自然環境事務所はこのほど、県内で確認されていた特定外来生物「ハヤトゲフシアリ」の抑え込みに成功したと発表した。国道331号沿いに設置されていた注意看板を23日に取り外した。ハヤトゲフシアリが県内で初めて確認されたのは2020年2月。生態系への影響が懸念される中、20年8月から産学官連携による防除作業を開始し、24年2月のモニタリングで2年連続の検出ゼロを記録した。
ハヤトゲフシアリは、南ヨーロッパ原産。人を直接刺すなど人的被害の恐れはないが、アルゼンチンアリと同程度の侵略性があると指摘され、生態系に影響する恐れがあった。
県内では、那覇軍港に隣接する国道331、332号の歩道側2キロに定着。その後、那覇新港コンテナヤードのフェンス沿いでも確認された。
抑え込みに向け、同環境事務所と沖縄科学技術大学院大学(OIST)、琉球大学、住化エンバイロメンタルサイエンス(大阪)などが連携。ハヤトゲフシアリに適した薬剤を作り歩道などへ設置し、効果測定モニタリングを重ねてきた。那覇軍港を管轄する米陸軍とも情報共有している。
同環境事務所の吉村正志・外来生物企画官は「外来アリは小さいが懸念が大きい。足元をよく見て不思議なアリを見かけた際は連絡してほしい」と話した。
(小浜早紀子)