県と県教育委員会が23日に開いた県総合教育会議では、コザ高の空手部男子生徒が部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受けて自ら命を絶った問題を受けた第三者再調査委員会の提言に対し、全ての項目に一定の対応策を提示した。教職員による不適切な言動が問題となった場合、例えば「暴力行為や暴言があったら県教育委員会に報告する」など、具体的な指針を策定することなども示した。
第三者再調査委の県教委への提言は「顧問の不適切な言動が見過ごされてきたのは、問題が発生したときの基本的な対応指針が確立されていないことにも原因があった」と指摘。学校側が管理職の裁量により恣意(しい)的な対応を取る懸念も指摘していた。
新たな対応策では、県教委への報告を求める事例などについて項目を立てて定める方針。
万が一、児童生徒の自死が発生した場合の対応として、第三者委員会を設置する基準や遺族、関係者への意見聴取のあり方、調査記録の保存方法などをまとめた設置要綱を策定する。また、学校、県教委それぞれの役割を具体的に定める。
教員の初任者研修や管理職研修で「子どもの権利条約」に関する内容を盛り込むことや、授業で同条約について取り組むことも定めた。全ての教員の自死予防教育の研修受講などにも取り組む。
県への提言で示された「こどもの相談・救済機関(こどもオンブズ等)の設置」は、他県の事例等を検証した上で県教委や関係機関と連携して検討する方針を示した。「こども権利条例の制定」については、既存の「県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例」におおむね包含されているとし、現条例の普及啓発のための広報活動を積極的に推進する。
(外間愛也)