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対馬丸記念会、犠牲多かった泊小にも記念碑設置へ 地元住民が25万円寄付 沖縄・那覇市


対馬丸記念会、犠牲多かった泊小にも記念碑設置へ 地元住民が25万円寄付 沖縄・那覇市 寄付金を手渡す泊こがね会の山田義浩会長(左から3人目)ら
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 米潜水艦によって撃沈された1944年8月の対馬丸事件の悲劇を伝えようと、遺族らで構成する対馬丸記念会(高良政勝代表理事)が、犠牲者の多かった那覇市立泊小学校に記念碑を設置する計画を進めている。

 記念会が携わって小学校に記念碑を設置するのは、2022年の那覇市立垣花小学校に続き2校目。

 今年は対馬丸事件から80年、対馬丸記念館がオープンして20年になる。開館20年記念事業の一つとして、今年の夏ごろに泊小に記念碑を設置する方針。

 疎開する児童らを乗せた対馬丸には、泊小の前身の泊国民学校の児童らが多く乗船していた。記念会によると、泊国民学校は氏名が判明しているだけで88人の学童・教員らが犠牲になった。

 那覇市の泊地域の65歳以上の住民でつくる「泊こがね会」は27日、那覇市の対馬丸記念館を訪れ、記念碑建立のために25万円を寄付した。泊こがね会の山田義浩会長は「モニュメント建設の趣旨に賛同し、協力していくことを話し合った」などと説明した。

 寄付金を受け取った記念会の外間邦子常務理事(85)は「本当にありがたい。お気持ちに応えるように、モニュメントで平和な未来を継いでいきたい」と話した。

 (前森智香子)