対馬丸記念館、来館者35万人を達成 開館20年「平和な世界に役立てたら」 沖縄


対馬丸記念館、来館者35万人を達成 開館20年「平和な世界に役立てたら」 沖縄 来館35万人を達成し開かれたセレモニーで、あじゃ保育園の児童に対馬丸事件について語る対馬丸記念会の高良政勝さん(右端)=27日、那覇市若狭の対馬丸記念館
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 太平洋戦争中の1944年8月に米潜水艦に撃沈され、学童疎開する児童などを含む1484人(氏名判明分)が犠牲となった対馬丸事件を伝える那覇市の対馬丸記念館が、来館者35万人を達成した。27日に同館でセレモニーが開かれ、あじゃ保育園の児童たちに記念品が贈られた。運営する対馬丸記念会の高良政勝代表理事(84)は「できた時は1年持つか、2年持つかと言われたが、みなさまのご協力で20年になる。もっと長く、平和な世界に少しでも役立てたらと思う」と話した。

 同館は2004年にオープンした。高良さんは、安謝小学校の子どもたちが描いた対馬丸事件の絵をあじゃ保育園の児童たちに見せながら「船が沈み、たくさんの人たちが亡くなってしまった」と説明。4歳の時に対馬丸事件を体験し、生き残った自身の体験に触れ「戦争をすると弱い者からやられてしまう。戦争は絶対にだめだ」と語りかけた。

 あじゃ保育園は長年、同館を訪れて平和学習をしている。平良多恵子園長は「子どもたちは対馬丸が一番戦争を身近に感じられるようだ。戦争と平和を改めて考える機会になっている」と話した。5歳の児童は「お勉強に来ました。ありがとうございました」とお礼を述べ、高良さんに折り鶴を手渡した。

 (前森智香子)