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与那国町長「一戦を交える覚悟」撤回せず 市民団体に回答 沖縄


与那国町長「一戦を交える覚悟」撤回せず 市民団体に回答 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 照屋 大哲

 【与那国】与那国町の市民団体「与那国島の明るい未来を願うイソバの会」が、改憲集会で「一戦を交える覚悟が問われている」などと発言した糸数健一町長に発言の謝罪・撤回を求めていた件で、町長は27日に文書で、発言は撤回しないと回答した。比川新港湾建設計画の住民説明会後、一部町民に対し「キャンキャンわめいている」と発言したことについては撤回し「町民の皆さまに心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 「一戦を交える覚悟」発言について町長は「日本は将来中国の属国に甘んじるのか、台湾という日本の生命線を死守できるのかという瀬戸際にある」と指摘。「このような国家存亡の危機にひんしては超法規的措置を取ってでも国家の命運を賭け、全国民がいつでも日本国の平和を脅かす国家に対しては一戦を交える覚悟が、問われているのではないか」という趣旨で発言したとした。

 同じ改憲集会で「旧宗主国として台湾に対する責任を放棄してはならない」と発言したことに関しては、「台湾をさげすんだ意味ではなく重要な隣人を日本国は見捨ててはならない」との意味だとして、この発言も撤回しないとした。

 米軍が与那国島で日米共同訓練を実施することについては、東シナ海などでの「中国の活動は異常」として、「自衛隊だけでわが国を防衛することは不可能であり、島の安心安全のためには日米共同訓練は必要」との見解を示した。

 イソバの会の山口京子さん(65)は「許せない。島を不安定な状況に持っていっている」と批判した。その上で、町長の回答を町民で共有し、抗議文を提出するかなどを検討するとした。

(照屋大哲)