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「沖縄が平和の発信拠点に」 島尻・南城市区、政治一家の次男・瑞慶覧さん 最年少当選 県議選


「沖縄が平和の発信拠点に」 島尻・南城市区、政治一家の次男・瑞慶覧さん 最年少当選 県議選 初当選を確実にし、祖母カツさん(右)と喜ぶ瑞慶覧長風さん=16日午後10時17分、南城市大里(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 島尻・南城市区の瑞慶覧長風さん(31)=社大=は当選確実の知らせを受けると、支援者と手を取り合い、日に焼けた顔をくしゃくしゃにして喜びをかみしめた。今回の県議選で最年少当選となった。支援者に感謝し、「沖縄の政治に若い力が必要だという皆さんの思いに後押ししてもらった。沖縄が平和の発信拠点になっていけるよう、県政で全力を尽くしていきたい」と力強く誓った。

 祖父に元社大党委員長の故・長方さん(享年91)、父に元衆院議員で前南城市長の長敏さん(65)を持つ、政治一家の次男。20代前半まで政治に関心はなく、長敏さんが2009年の衆院選で初当選した日には家出をしていたほどだ。長敏さんの衆院選2期目落選後は、家計を助けるため大学を一時中退。建設作業員や飲食店の住み込みとして働き、実家に仕送りを続けた。「順風満帆な人生だったら今の自分はない」。復学後にのめり込んだキックボクシングではプロ入りを果たした。

 18年に長敏さんの南城市長選を手伝ったことが、政治家への転機となった。基地問題に関して沖縄が置かれる不条理な現状に直面し、市民の熱量に触れて、祖父や父が見てきた政治の世界を知った。「自分も沖縄のために頑張らないと」

 辺野古埋め立て賛否を問う県民投票で署名活動に関わり、22年の南城市議選で初当選。今回の選挙戦は一人でも多くの人と会うことを意識した。子育て世帯と対話を重ね、課題をタイムリーに政策に反映させた。

 当確を祝った南城市大里にある実家の畳間は、長方さんが県議選初当選を見守った場所。「タンメーさんも天国から笑顔で見てくれていると思う」と祖母のカツさん(90)と喜びを分かち合った。「地域課題を解決するために働いていく」と決意を込めた。