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身元不明の遺骨納めた「魂魄の塔」 早朝から遺族ら祈り、世代超え非戦誓う 沖縄


身元不明の遺骨納めた「魂魄の塔」 早朝から遺族ら祈り、世代超え非戦誓う 沖縄 魂魄の塔に献花する女の子=23日午前7時32分、糸満市米須(大城直也撮影)
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 戦後最も早く造られ、身元不明の遺骨を納めた糸満市米須の魂魄の塔では、23日早朝から遺族らが線香を上げて手を合わせた。祭壇にはたくさんの花や飲み物、お菓子が供えられた。

 市内から参拝に訪れた中原貴子さん(48)の祖父は徴兵され、糸満市山城で亡くなったと親戚から聞いた。「沖縄戦があったから祖父に会えなかった。自分にとって過去のことではない」と語った。

 市の平和の語り部事業に関わる息子の悠太さん(17)は「今ある平和の時代を続けるために体験を語り継ぐ」と思いを新たにした。娘の凜香さん(15)は「曽祖父(そうそふ)が置かれた過酷な状況を想像したらつらい。戦争をしない世の中をつくるために、まず周りの人に優しくすることから始めたい」と決意した。

(狩俣悠喜)