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「謝罪と心のケアを」 米兵少女誘拐暴行事件受け「女たちの会」が要請 沖縄 


「謝罪と心のケアを」 米兵少女誘拐暴行事件受け「女たちの会」が要請 沖縄  米空軍兵による少女誘拐暴行事件を受けて緊急会見する基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代共同代表(左から4人目)ら=27日、那覇市泉崎の県庁記者クラブ
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 米兵少女誘拐暴行事件を受け、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会(高里鈴代、糸数慶子共同代表)が27日、那覇市の県庁記者クラブで緊急会見を開いた。

 日米政府への要請文を発表し「当日に警察へ通報した被害者の勇気やその訴えに対し、政府や関係機関は真摯(しんし)に応え、謝罪し、被害者へのケアと加害者へ厳正な処罰がなされなければならない」とし、日米政府に対し被害者への謝罪や補償、心のケアを第一に求めた。 

 宛先は首相、外相、米大統領、駐日米大使、在沖四軍調整官、在沖米総領事。要請文は郵送する一方、広く賛同団体を募り要請行動などを展開していく方針を示した。

 高里共同代表は、今回の事件で起訴された米兵が保釈されて基地内で拘束されていることについて、過去の事件でも基地から抜け出して米本国に逃げ帰ったケースがあったとし「女性をレイプしても捕まらないという意識がずっと伝わっている」と指摘。「戦後からずっと起こり続けている暴力について、日米政府の対応のまずさ、警察の緩さなどをもっと深刻に受け止めてほしい」と訴えた。

 同席した遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は、慰霊の日に来県した岸田文雄首相に「首相は知っていたはずだが一言も触れなかった。少なくとも沖縄に来る前に首相は謝罪しないといけない立場だ」と強調した。

 会見出席者からは、繰り返される米兵の事件に対し「子どもたちを犠牲にしないで」などの意見が相次いだほか、事件発生から報道されるまで半年が経過していることに「権力による政治的な隠蔽(いんぺい)だ」と批判もあった。

 要請ではそのほか、県との情報共有を行わなかったことや米軍への身柄引き渡しについての詳細な説明、米軍人・軍属の犯罪根絶のための実効性ある対応、日米地位協定の抜本的改定、在沖米軍基地の撤去、新たな基地をつくらないこと―などを求めた。

 沖教組や高教組、フラワーデモin沖縄、ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会、ジェンダー問題を考える会、沖縄YWCAなどが賛同した。 

(慶田城七瀬)