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【事件読み解き】海兵隊員の潜伏先、宿泊施設が密集しトラブルも 相次ぐ事件に周辺住民が怒り 米兵女性暴行 沖縄


【事件読み解き】海兵隊員の潜伏先、宿泊施設が密集しトラブルも 相次ぐ事件に周辺住民が怒り 米兵女性暴行 沖縄 米海兵隊上等兵の被告が県警の捜査員に任意同行を求められた逃走先付近の路上
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 女性に性的暴行をしてけがを負わせたとして、那覇地検が在沖米海兵隊上等兵の被告(21)を不同意性交致傷の罪で起訴した事件で、上等兵が逃亡先の本島内の宿泊施設で県警に任意同行を求められていたことが29日、複数の関係者への取材で分かった。関係者によると、県警は犯行の約12時間後に基地外の潜伏場所を特定し、緊急逮捕したという。

 自民党県連は29日、外務省沖縄事務所の宮川学沖縄担当大使を呼び出し、被害者のプライバシーを守りつつ情報提供を迅速に行うよう要請した。宮川氏は要請の後、記者団の取材に「(沖縄防衛局に情報を)伝えたが、時期については差し控えたい」と答えた。

 日米地位協定では、刑事事件の容疑者となった米兵が基地内などの米側に逃走した場合、原則、起訴まで身柄は米側に置かれる。上等兵が犯行後も、県警の捜査権の及ぶ基地外にとどまっていたことが早期の身柄確保につながったとみられる。

 起訴状や県警によると、事件は5月26日に発生。上等兵は、本島の建物内で女性の首を後ろから絞めるなどの性的暴行に及び、女性に両目の内出血や口の負傷など全治約2週間のけがを負わせたとしている。

 関係者によると、女性は被害に遭った直後の5月26日早朝に通報した。県警が捜査を開始し、現場周辺の防犯カメラ映像の分析を進めるなどして、同日中に上等兵とみられる男が現場から約20キロ離れた本島内の集落までタクシーで移動していたことを突き止めた。集落周辺で捜索を続け、宿泊施設に宿泊していた上等兵を発見。同日夜に警察署への任意同行を求め、緊急逮捕した。調べに被害女性と一緒にいたことは認めたものの、犯行は否認しているという。

 昨年12月発生した米空軍兵長による少女誘拐暴行事件で、県警などは那覇地検が3月27日に不同意性交罪などで起訴するまで空軍兵長の身柄を確保せず、在宅で捜査した。日米地位協定では米兵の容疑者が公務外で日本の警察に現行犯逮捕されるなどした場合、日本側が身柄を確保することになっている。県警はこの原則に基づき上等兵を勾留し送検したとみられる。