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市民団体「あまりにも一方的だ」 防衛局の責任に触れない国に怒り 安和ダンプ事故 沖縄


市民団体「あまりにも一方的だ」 防衛局の責任に触れない国に怒り 安和ダンプ事故 沖縄 辺野古埋め立て用土砂の搬出場所の1つとなっている琉球セメント桟橋のゲート前=名護市安和(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 名護市の安和桟橋で起きた死傷事故をめぐり、沖縄防衛局が15日、辺野古新基地建設への抗議活動が背景にあるとして、県にガードレールの設置などを求めた。これに対し、市民団体側は「防衛局の責任には触れない一方的な主張で、抗議活動を排除するものだ」と批判した。土砂搬出にたずさわるダンプ運転手からも国の対応に疑問の声が出ている。 

 防衛局の要請を知った沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「そもそも事故の原因は、工事を急がせて、無理にダンプを出そうとした防衛局側にある」と指摘。「防衛局の責任や見直しには一言も触れず、全て反対派の抗議活動のせいにしており、あまりにも一方的だ」と批判した。

 市民団体側は事故後、独自の現場検証をしてきた。防衛局が県に求めたガードレールの設置や港湾施設内への立ち入り禁止については、「事実上、住民を近づけず、抗議活動を排除するものだ」と問題視。県に対しては、「防衛局の要請には毅然(きぜん)と対応してほしい」と応じないよう求めた。

 新基地建設工事にたずさわるダンプ運転手も防衛局の対応に疑問を感じている。「国は工事を急いで、強引なことをしていた責任を認められないから、筋違いの要請をしている」と語った。

 事故後、ダンプに新たなカメラを設置するよう求めるなど、締め付けが強まっているという。運転手は嘆いた。「防衛局の対応が迷走している。抗議活動の人たちと折り合ってきた『1台ずつダンプを出す』という元の状態に戻せばいいだけだ」 

(南彰)