【識者談話】強引な規制に反対の声を　安和ダンプ死傷事故　山﨑裕侍さん（映画監督）

　名護市安和桟橋前で過去に撮影された市民の抗議活動の映像を見た。牛歩を続ける粘り強さや非暴力の抵抗のすごさがよく分かる。
　意思表示をする市民の声はしっかり守られないといけない。強引に封じるような規制は良くない。沖縄の基地問題では、国は沖縄県とも対話しないで強引に進めている。同じような事故を起こさないためにどうするのか、市民側も納得する対話をした方がいい。
　札幌で街頭演説する安倍晋三元首相にヤジで異議申し立てをした聴衆を北海道警が排除した問題でも、市民側の勝訴判決後に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件などでネットの言論空間でバックラッシュがあった。それに対しては、当事者や地元メディアが「違う」と地道に対抗してきた。
　警備や安全を理由にした規制にはみんなで反対の声を上げてほしい。権力側は、規制する「成功体験」ができると、他のものにも適用し、市民活動を次々と制限しかねない。日本はただでさえ異なった意見を言いづらい社会であり、反対の声が社会から見えなくなってしまう恐れがある。
　（映画『ヤジと民主主義　劇場拡大版』監督）（談）