【中部】最後の「ヒーヤイ」。闘牛人気の立役者で古堅モータース号など数々のチャンピオン牛を育て、16日に亡くなった古堅闘牛組合長の佐久川政秀さん=享年(67)、古堅モータース会長=の出棺式が19日、うるま市石川の多目的ドームで開かれた。県内各地の闘牛組合関係者約100人やチャンピオン牛ら10数頭が集結し、佐久川さんのひつぎと遺族らを迎えた。
ドームで行われた式の最後は一同がひつぎを囲み、闘牛の掛け声で「ヒーヤイ」「ヒーヤイ」「ヒーヤイ」と締めくくった。そして皆でリング内を1周し、ハトの放鳥も行い、慣れ親しんだ闘牛の聖地に佐久川さんは最後の別れを告げた。
式では闘牛アナウンサー伊波大志さんが佐久川さんに贈る最後の「実況」があり、思い出をまとめた映像も流された。場外からは猛牛たちの鳴き声が時折響いた。
長男の政源さん(40)は「おまえのおとーはすごいなって言われていたが、周りにいる人がすごいんだよと伝えてきた。古堅モータース佐久川政秀はグソー(あの世)に行ってしまいますが、おやじの意志を継いで一家で闘牛を続けていきたい」と周囲の協力に感謝した。
県闘牛組合連合会の幸地政和会長、中村正人うるま市長も駆け付け、思い出を語った。幸地会長は夢を語り合った若かった頃から闘牛の活性化、連合会の一般社団法人化などを共に進めた時間を振り返り「若い方々と立派な闘牛界にしていきます」と誓った。
古堅闘牛組合の糸数昌則さん(56)は、佐久川さんの持つ全島闘牛の軽量、中量、重量級3冠をたたえ「ハードルが高くて厳しい。そこまでやるのーって、すごいねってしか言えない。“牛ばか”というような気持ち。情熱がすごかった」と話した。
胡屋闘牛組合長の辺土名朝也さん(44)は「人がやらないことをやる。牛に対する情熱がすごかった。あっち(あの世)にも先輩方がたくさんいるので闘牛を楽しんでほしい」と語った。
告別式は20日午後3時から4時、読谷村座喜味1976の読谷村老人福祉センター(セーラ苑)で開かれる。
(石井恭子)