有料

対馬丸事件「継承していく」 奄美訪問した児童らが沖縄に帰県


対馬丸事件「継承していく」 奄美訪問した児童らが沖縄に帰県 「対馬丸平和継承プログラム」に参加し、奄美大島を訪れた研修の感想を記す児童ら=15日、那覇市若狭の対馬丸記念館
この記事を書いた人 Avatar photo 前森 智香子

 太平洋戦争中に疎開する児童らを乗せて沈没した対馬丸の悲劇を学ぼうと、県内の小学生15人が鹿児島県・奄美大島を訪れて関係者と交流する研修が13~15日にかけて行われた。15日に奄美から戻った児童らは、那覇市若狭の対馬丸記念館で2泊3日の研修を振り返り、「事件を忘れず、継承していく」と誓った。

 研修は対馬丸記念会が主催する「第3回対馬丸平和継承プログラム」。15日に沖縄に戻った児童たちは、記念館で心に残ったことを発表した。西原小6年の平結羽さんは、最も印象に残ったことに奄美大島に向かう船上で行った慰霊祭を挙げ「海に花をささげ、きちんと祈ることができた」と語った。「戦争の悲劇や命の大切さを忘れず、もっといろんなことを学んでいきたい」と意欲を見せた。

 「人間の優しさと恐ろしさを感じた」と語ったのは、那覇小6年の池宮城陽道さん。流れ着いた犠牲者を丁寧に埋葬したり、生存者の手当てをしたりしたという奄美大島の人の優しさを感じた一方、戦争の恐ろしさも感じたと振り返った。

 与那原東小6年の三ツ橋明里さんは、多くの子どもが犠牲になった事実を「まだ信じられない」と明かした。「だけど、本当にあったということを心に刻んで、これからも対馬丸事件を継承していきたい」と述べた。児童たちは9月にかけて事後研修を受け、さらに学びを深める。 

(前森智香子)